マイニングの必要性とは?マイナーが減ると何が起こる?

ビットコインのマイニングは、いつか終わりが来ます。なぜなら、発行枚数が決まっているのがビットコインの設計だからです。2,100万枚がその上限で、現在は7割程度の採掘が終わっているので、残りはあと3割となり、この量をめぐって、マイナーがマイニングを続けているというわけです。

 

では、マイニングの必要性ってどのようなものでしょうか。相場が低迷したとき、マイニングを辞めてしまう方々も増えます。そんなとき、マイナーが減ったら場合、ビットコインの世界はどうなるのでしょうか。

 

ビットコインは2045年に尽きる?

 

サトシ・ナカモトはビットコインに面白い仕掛けを残しました。それが、マイニングです。インターネット文化および仮想通貨の文化に貢献し、ブロックチェーンに新しいブロックを追加した方、つまりマイニングが成功した方には、報酬としてBTCすなわちビットコインそのものが付与されるという仕組みです。

 

しかし冒頭に見たとおり、残り3割程度しか未採掘のビットコインは残されていません。そして、元素のように半減期のあるビットコインは、報酬がマイニング量に応じて減り、だんだんマイニングできる総数そのものが減っていきます。よって、残りの3割がなくなるスピードはゆっくりとなるのです。

 

しかし、それでも2045年には尽きてしまうものだと考えられます。そんな世界にマイニングの必要性はどのようなものかというと、やはりマイニングが進んで、ビットコインの残り量が少なくなるにしたがって、いろいろなことが考えられます。

 

流動性が下がる

 

まず、マイニングが少なくなると、ビットコインそのものの流動性がぐっと下がってしまいますよね。ビットコインは、半分に半分になるよう半減期がありますから、最終的には0BTCとなってしまうのです。すると、手数料だけが収益となります。サトシ・ナカモトの設計思想では、手数料水準が同じでも、ビットコインの価値そのものが上昇すれば、手数料が現行水準のままであっても、マイナーは十分な収益を得られると考えています。

 

ただし、ビットコイン価格が上がれば支払手数料の負担額もJPY換算で増えることとなります。

 

手数料を払いたくない場合は、マイナーの利益が減りますので、撤退する人も増えるのです。そして、結果として競争率が大きく下がります。

 

マイニングの競争率が下がるということは、ある程度の水準でバランスが取れるということでもあります。実はマイナーが減ると同時に、difficultyが下がります。よって、ブロック生成の10分に1ブロック、という処理能力に変化はないのです。

 

手数料があがってしまう?

 

そして、流動性が下がった結果、手数料が上がるという現象が起こる可能性があります。なぜなら、ビットコインのマイニングは、報酬としてビットコインそのものがもらえると同時に、ブロックごとの手数料も手に入れることができるからなのです。

 

この手数料が意外とバカにならないのです。希少価値が上がったのに流動性が下がれば、マイニング参加者が減り、その手数料を値上げするという動きがでることは十分考えられます。

 

これはいわゆる市場原理であり、つまりは、自分の処理を先にしてほしいということですから、早く計算してほしい、手続きを済ませたいというニーズが高まった結果、手数料が上昇するのです。

 

これは、ビットコインそのものの限界も示しています。2006年に論文が書かれたビットコインは、革命的な論文ではあったものの、それから10年以上の実社会のビジネス構造の変化を織り込んでいないのは事実です。

 

よって、マイニングされ尽くしてしまうと、今度は計算する人がいなくなってしまいます。そのため、手数料が自然と上昇し、その結果、それらを克服したあたらしい仮想通貨が生まれることでしょう。

 

それがアルトコインなのです。

 

ハードフォークの必要性は?

 

ビットコインとブロックチェーン技術は画期的な革命だといっても、2008年に書かれた論文が大もととなっていますから、設計上のミスはなくとも、現実社会のビジネスと、合致していない部分があるのは事実です。

 

たとえば、スピード。たとえば、手数料負担。そうしたものを凌駕するために、ハードフォークが行われるわけですが、ハードフォークの必要性に関しては、市場のニーズに応じて、また実行する人がいるかいないか、というふたつの側面があります。

 

ニーズがあることと実施することはまた別の問題です。ビットコインキャッシュ(BCH)や、ビットコインゴールド(BTG)が生まれたように、ビットコインが0BTCに近づくことで、ハードフォークによって新しいコインが誕生することも、きっとあるでしょう!

 

そして、BCHは「自分たちこそビットコイン」と主張している通り、ハードフォークしたコインが何の名前を冠するか、それも世の中のコンセンサス(意見)次第なので、今後も動向を見守る必要があります。

 

マイニングが減るといろいろなことが予測でき、面白いですね。