マイニングで考えなければならないことはたくさんあります。そのうちのひとつが熱対策です。なぜなら、マイニングはCPUに負荷をかけ、猛烈に熱がでるからです。コンピュータの部品は、CPUやHDD、メモリ、グラフィックボードなどのパーツでできていますが、そのうちのCPUは、演算をあまりに繰り返すと、熱がでるようになっているのです。
そして、もっとも重要な点は、CPUというのは、自分自身の温度が高くなると、クロック数を落として壊れるのを防ぐという機能がついているのです。今回はマイニングにおける熱対策を見ていきます。
CPUと熱の関係
これは、何もマイニング用のパソコンに限った話ではありません。古いiPhoneが、アップデートすると勝手に速度が低下するプログラムが仕込まれていて、国際的に大問題となり、訴訟にまで発展したことをご存知ではないでしょうか。あれも、CPUの熱暴走を止めるためのプログラムだというのが公式な発表です。
このように、そもそもCPUという演算計算機自体が、熱を発し、加熱しすぎると自動でパフォーマンスを落とす仕組みが備わっているのが今どきのCPUなのです。
パフォーマンスを最大化したい
しかし、勝手にクロック数を落とされてしまっては困りますよね。できれば、CPUどころかマシンのパワーを最大限に引き出して、パフォーマンスを最大化したいものです。ハイパワーで演算すれば、その分だけ稼げる仮想通貨は増えます。
すると、冷やしながら動かすか、そもそも熱暴走させないという選択肢になります。それぞれ、みていきましょう。
冷やしながら動かす
まず、簡単にできる対策として、保冷剤や冷却パネル、そして送風があります。コンピュータの中にはファンが入っていて、それが送風してくれ、パーツを冷やしています。デスクトップマシンを組み立てるのが好きな人は、ファンの存在が大きいことをご存知なのではないでしょうか。
デスクトップ機でマイニングする場合。筐体のなかに、保冷剤をいれたり、送風したりして、マシンの中で熱を持っているCPUそのものを冷やしたり、熱気を外に逃したりする必要があります。
また、ノートパソコンでマイニングする場合は、冷却シートをマシンの下に敷くとか、あとは台の上に乗せて熱を逃がすなどの施策が必要だと考えられます。
掃除してホコリを取る
もしも、新規のマイニングではなく、今現在マイニングしていて、熱暴走して困っているというのであれば、マシンの筐体をあけて掃除がおすすめです。精密機器はホコリに弱く、そして掃除はするだけで効果的です。
エアダスターでシューッと一吹きするだけでも、ホコリが飛んでいきますので、掃除をすることはマイニングの熱対策に非常に有効ですので、ぜひ定期的な掃除を心がけてください。
そもそも熱暴走させない
上記は、ハードウェアであるCPUの外部からできる施策です。では、ソフトウェアといいますか、プログラムで解決はできないのでしょうか。答えはできます。マイニングのプログラムが動かしているスレッドをひとつにするのです。
具体的には、各マイニングプログラムを参照していただきたいものの、CPUとは、基本的にマルチスレッドになっています。マルチスレッドとは、複数のタスクを同時実行していることです。マルチスレッドによって、計算をパラレル(並列)で実施し、それによってより高度な計算と、スピードを実現しているのです。
しかし、CPUの構造上、実はマルチスレッドとは、小さくしたタスクを細かく分割し、ひとつひとつを順番に実行しているのです。その速度が早いため、OS上からはマルチタスクに見えるという仕組みです。よって、実際にはスレッド内のタスクを分割する作業がありますし、細かく実行するのでCPUそのものに負担もかかるのです。これもまた、熱暴走のリスクを高めます。
よって、CPUをシングルスレッドにして、ひとつのスレッドだけを動かすようにしてみると、CPUの負荷が減少し、結果として熱をおさえられるという仕組みです。
マイニング熱対策のアプローチ
今回みたように、プログラムでCPUを制御する方法、熱を発散させる方法、いろいろあります。熱対策の一番は、寒い地域でマイニングすることです。でもそれは、地理的な問題もありますから、いきなり場所を変えるわけにいきませんよね。
さらに、自宅にせよマイニング事務所を構えるにせよ、エアコンをかけて冷房でひやす必要が生じます。エアコン代は高いですから、昼間はマイニングを思い切って停止してしまうという手もあります。
相場そのものが冷え込んでいる時期は、あまり焦らず、夜だけマシンを動かして、マイニングするという手もあるので、さまざまな熱対策を行って、総合的に考えてみましょう。マイニングはビジネスとして収支計算も必要な上、コンピュータの知識も必要です。しかし奥が深くて楽しいものですので、ぜひお楽しみください。