マイニング、各国の規制と日本の将来は?

マイニングをして仮想通貨を得るのは楽しいものです。

仮想通貨相場がアップダウンしても、ブロックチェーン技術そのものの優位性がゆるいだわけではありませんから、いまやっておけば将来的に大きな価値が生まれるものと考えられます。

 

その一方で、規制も生まれています。では日本を含めた各国の規制状況をみていくとともに、日本のマイニングシーンの将来を予想していきましょう。

 

日本の状況

 

まず、クリプテック編集部がつかんだ情報によると、某大手マイニングファームが独自にマイニングマシンを出す予定だったとのことです。マイニングに早期から参入していた情報感度の高い人達がいちはやくこれを聞きつけ、注文したお金を振り込んだものの、おそらく規制がかかったため、販売中止となってしまいました。注文者には返金されています。

 

実はビットコイン投資家の多くが日本人であり、若い人を中心にリスク投資が好まれています。スマホひとつで手軽に投資できる仮想通貨は盛り上がったものの、その後一気に下落するなど、乱高下が激しく、おまけに相場が24時間365日オープンしているので、熱中する人も続出したのです。

 

また、ICOも詐欺が多発しています。社会課題を新しいテクノロジーで解決するとみせかけて、実際は集金して逃げてしまうのです。さらには、2018年1月のネム盗難事件もあり、金融庁も取引所に厳しく当たっています。安全をうたっていたZaifでもモナコイン盗難事件が起こり、コインチェックだけがずさんな管理だったわけではないことがわかりました。

 

インターネット上に直接ウォレットを接続するホットウォレットが危険だといっても、Zaifもまた、ホットウォレットを使っていたのです。そうしたことから、今後はさらに規制がはいる可能性は十分あります。

 

中国の状況

 

中国の状況は複雑です。表向きは、中国国内において、マイニングは規制されています。しかし、クリプテックで取材してみると、実際に中国国内でマイニングしてる方はおられます。さらに、大切なことに、Bitmain社などの、ASICメーカーは中国です。謎のメーカーDayunも、おそらくは中国製だと思われますが、メーカー名がふせられているのは、こうした当局の規制を恐れてのものだと考えられます。

 

当局および人民銀行は、公的にはマイニングを禁止しています。同時に仮想通貨のトレードも禁止されるケースが多くなっています。しかし、巨大な国で人口も多いため、守らない人もいるのではないでしょうか。

 

いずれにせよ、表向きは禁止、内実はマイニング大国、と言った状況です。

 

ロシアの状況

 

一方で、リスク投資であるビットコイン投資に積極的に乗り出し、マイニング大国に躍り出ようとしてるのがロシアです。なんといっても極寒の地であるため、シベリアあたりにマイニング工場を立ててたこともニュースとなりました。

 

国、といいますかプーチン政権も、マイニングで資産形成を妨げる要因はなく、ロシアは積極的にマイニングへ乗り出しているものと見られます。

 

なにより寒いですから、マイニングには最適です。そして電気代も高くありません。ロシアは停電が怖いと思いきや、お湯と電気だけは、ライフラインが途絶えたら死んでしまうがために、何より頑丈に作られているのがロシアの地なのです。

 

こうしてみると、マイニングはロシアに強みがあるとみることもできます。

 

アメリカの状況

 

アメリカは州によって規制がさまざまです。寒い地域もあれば、温暖な気候もあるアメリカ。州ごとに、マイニングを後押しする北西部のモンタナ州もあれば、人口密度が高いため、寒くても迷惑でトラブルになるためマイニングを禁止するニューヨーク州もあります。

 

また、電力自由化がされているアメリカでは、マイニングで消費量が上がると、市場経済の原理にしたがって、電気代が高騰してしまうということも挙げられます。よって、住民からの訴えも起こり、禁止へと相成りました。

 

まとめ

 

こうしてみると、マイニングは騒音と排熱と電気代の高騰というさまざまなファクターを持つため、禁止の動きがあるのは仕方のないことです。

 

ただ、自由経済なのですから、むやみやたらに禁止しても、中国のように地価へともぐるだけのようにも感じられます。

 

いずれにせよ、日本も何らかの形で規制が入る可能性は十分あります。電気のインフラに負担をかけることになりますが、日本の電力はかなり安定している上、市場経済とはまた別のコスト積み上げ型で動いているため、高騰はないでしょう。

 

しかし取引所での盗難や、ICOでの詐欺のように社会問題化すれば、規制が入る可能性は十分あります。予想を率直に表現すると、半社会勢力などが大掛かりにマイニング施設を展開するなどの事件が起これば、国が規制に入る可能性があります。

 

それでも、個人で楽しむ分には、日本は規制がないほうなので、海外で苦労するぐらいなら、日本でマイニングしてみてもいいのではないでしょうか。