仮想通貨のマイニングをするにあたって、グラフィックボード(GPU)はGeForceとRadeonどちらが良いのでしょうか。それぞれのGPUでは、マイニングに向いているコインや消費電力といった点に違いがあります。この記事では、マイニングをする上でのGeForceとRadeonの違いをポイント別にまとめます。
マイニングに向くGPUは「GeForce」と「Radeon」の2種類
仮想通貨のマイニングをするからには、効率よく、かつコストを抑えて行いたいものです。
仮想通貨を効率よくマイニングをする上で重要なのは、次の2点になります。
– グラフィックボード(GPU)の性能
– グラフィックボード(GPU)のコスト(価格と消費電力)
これら2つのバランス、つまりコストパフォーマンスを考えることが大切です。
(なお、マイニングにはGPUで行う方式とCPUを使って行う方式のコインがあります。本記事ではGPUを使ったマイニングについて紹介します。)
GeForceとRadeonの概要
GeForceは、NVIDIA社が製造するGPUのブランド名称です。GeForceは世界一のシェアを誇り、3Dの描画性能が高いため、多くのゲーミングPCに搭載されています。
Radeonは、AMD社が製造するGPUのブランド名称です。こちらはGeForceと比べてオンボード性能が優れており、ピクセルレートも高いため、動画再生に強いGPUになります。
マイニングする上でGeForceとRadeonの違いは?
2つのGPUはそれぞれ特徴が異なります。
この章では、次の4つの視点でGeForceとRadeonの違いを見ていきましょう。
1. マイニング効率の良い仮想通貨
2. 性能
3. GPU価格
4. 消費電力
マイニング効率の良い仮想通貨
仮想通貨のマイニングをする上では、採掘するコインの向き不向きという点で違いが出てきます。
一般的に、GeforceはBitcoin系の仮想通貨のマイニングが得意で、Radeonはイーサリアム系が得意だと言われています。
しかし、マイニングで利益を得るためには、高いハッシュレート(性能をはかる数値)を出して効率よくコインを算出すること、そしてGPU価格と消費電力を抑えてコストパフォーマンスを高めることが大切になります。
マイニングのためのGPUを選ぶ際には、コインの向き不向きだけで選ぶのではなく、以降で説明する性能や価格、消費電力を総合的に評価していくのが良いでしょう。
性能
GeForceとRadeonを性能面で比較する場合、上記で述べたコインによって効率が異なるほか、GPUの型式によっても性能が異なるため、一概に優劣はつけられません。
2018年時点で、GeForceシリーズで性能の高い型式(ハイエンドと呼ばれるクラス)は次のものになります。
– Geforce RTX 2080 Ti / 2080 / 2070
– Geforce RTX 1080 Ti / 1080 / 1070Ti / 1070
Radeonのハイエンドクラスは次のものです。
– Radeon Pro Duo
– Radeon RX Vega 64 / 56
– Radeon R9 295X2 / Fury X / Fury
これより性能の低いミドルクラス、エントリークラスのGPUもありますが、マイニングにはある程度の性能が求められます。
あまり安いものを選んでしまうと、ほとんど採掘できないということもあり得るので注意が必要ですね。
GPUの価格
性能の良いGPUは価格も高く、ハイエンドクラスでは20万以上するものもあります。
GeForceとRadeonを比較すると、GeForceが全体的に高価でRadeonのほうが廉価な型式もあると言えるでしょう。
マイニングのためのGPUを選ぶには、あらかじめコインの採掘効率を計算し、元がとれるクラスのものを選ぶことが大切になります。
消費電力
GeForceとRadeonを消費電力の面で比較すると、それぞれの型式によって異なるため、一概には比較できません。
一般的にハイエンドな型式ほど消費電力は高くなります。
性能の割に消費電力が低い、つまり電力コスパの良いGPUを見つけるには、コインごとに実際にマイニングをして実験してみるしかないのが実情です。
まとめ
マイニングに向くGPUについて、GeForceとRadeonの2点のさまざまな観点から比較しました。
マイニング効率を判断するポイントには、「コインの得意/不得意」「性能」「GPU価格」「消費電力」の要素があります。
GeForceはBitcoin系のコインが得意で、Radeonはイーサリアム系のコインが得意な傾向にあります。
しかし、GeForceとRadeonの総合的なマイニング効率を比較しようとすると、これらすべての要素を考慮せねばならず、答えを出すのは至難の技です。
最終的には、実際にマイニングを行なって実験してみるしかありません。
自分でパソコンを用意してマイニングをする場合、コインによってさまざまなGPUを使い分ける実験をしてみるのも良いでしょう。