Equihashu(イクイハッシュ)アルゴリズムを知って効率よくマイニングしよう

Equihash(イクイハッシュ)はPoWマイニングで使用するアルゴリズムの一つで、GPUによる計算を行います。パラメータによっていくつかの系列があり、メジャーなものはZcashで、Equihashから派生したものはBitcoin Goldなどで使われています。この記事では、Equihashの分類やマイニングできるコイン、ASIC/マイナーについてご紹介します。

 

Equihash(イクイハッシュ)によるマイニング

Equihash(イクイハッシュ)は、PoWでのマイニングを行うためのアルゴリズムです。GPU(グラフィックボード)を使って計算を行います。

equihashはASIC耐性(※)のあるアルゴリズムとして知られています。

ASIC耐性とは?

ビットコインのマイニングでは、マイニング専用のASIC(集積回路)の開発によって、セキュリティの低下や特定の国や機関によるシェアの独占といった問題が発生しています。

Equihashは計算に大量のメモリを必要とする仕組みをとることで、この問題に対抗しています。これをASIC耐性と呼びます。

開発者のAlexらの論文(※1)によると、「2.1GHzのCPUで700MBのRAMが15秒で実行され、メモリが半分になると計算が1000倍になる」とのことです。

※1:Equihash: Asymmetric Proof-of-Work Based on the Generalized Birthday Problem (https://ledger.pitt.edu/ojs/index.php/ledger/article/view/48)

 

Equihashの系列とパラメータ

Equihashアルゴリズムに対応するコインで有名なのは、Zcashです。

Equihashは使用するパラメータによっていくつかの系列があり、Zcashを含む一般的なもの(通称Equihashで呼ばれる)は (n=200, k=9) と言うパラメータを使っています。

*このパラメータは、簡単に Equihash(200,9)とも表記します。

その他のパラメータを使うものは、上記のequihashとは分けて扱われます。

たとえばBitcoinGoldは(144, 5) パラメータを使っており、別名Equihash-BTG、Zhashなどと呼ばれています。

サイトによって表記が異なるため、関連情報を探す場合には少し注意が必要ですね。

 

Equihashでマイニングできるコイン

Equihashでマイニングできるコインは次の通りです。

このうち、マイニング情報サイト「What to mine」のデータベースに登録されているコインには「★」をつけています。

【Equihash (200, 9) 】

  • ★Zcash (ZEC)
  • ★Horizen(旧:Zencash) (ZEN)
  • ★Commercium (CMM)
  • ★Hush (HUSH)
  • Aion (AION)
  • Bitcoin Interest (BCI)
  • BitcoinPrivate (BTCP)
  • Komodo (KMD)
  • Zclassic (ZCL)

 

【Equihash (192, 7) 】

  • Zero (ZERO)

 

【Equihash (96, 5)  】

  • MinexCoin (MNX) 

 

【Zhash(Equihash (144,5)、Equihash-BTG)】

  • ★BitcoinGold (BTG)
  • BitcoinZ (BTCZ)
  • LitecoinZ (LTZ)
  • Safecoin (SAFE)
  • SnowGem (XSG)
  • ZelCash (ZEL)

 

(「What to mine」「Crypto0」調べ)

 

Equihash対応のASIC /マイナー

EquihashはASIC耐性のある(ASICで大量マイニングしにくい)アルゴリズムですが、Equihash対応のASICやマイナーも存在しています。

【Equihash対応のASIC/マイナー(括弧内はメーカー名)】

  • Antminer Z9 (Bitmain)
  • Antminer Z9 mini (Bitmain)
  • A9 ZMaster (Innosilicon)
  • ASICminer Zeon 180K

 

ASIC Miner Value調べ)

 

マイニング機器の大手開発メーカーBitmainからは、2018年9月に「Antminer Z9」が発売されました。マイニング機器メーカーInnosiliconからは、2018年6月に「A9 ZMaster」が発売されています。

ASICが開発されると採掘難易度(Dificulty)が徐々に上がり、一般的に採掘の収益は落ちていきます。

Equihash対応のASICが開発されたことで、equihashでマイニングできるコインの収益も下がっていく恐れがあるため、今後の変化には注意が必要ですね。

 

まとめ

EquihashはPoW対応のマイニングアルゴリズムで、GPUを使った計算を行います。主にZcashなどで使われています。

Equihashから派生したアルゴリズムには、Bitocoin Goldで使われるEquihash-BTG、またはZhashなどがあります。

ASICによる大量マイニングを防ぐための設計がなされていますが、2018年6月以降にはEquihash対応のASIC/マイナーも発売されており、今後の収益の変化には注意が必要と言えるでしょう。