マイニング向けのグラボの設定方法を解説!

マイニングを効率よく行うためには、グラフィックボード(GPU、グラボ)の設定を適切に調整することが大切です。グラボをマイニング向けに設定するには、「電圧/温度制御」「クロック数」「ファンの回転数」などの項目を調整します。この記事では、マイニングに関係する設定項目の内容と、関係性について解説していきます。

 

マイニング向けのグラボの設定項目とは?

グラフィックボード(GPU、グラボ)の設定には、画面の解像度や描画処理、クロック数などいろいろな項目があります。

その中でもマイニング向けの設定に大切なのは、「電力」「温度」「クロック数(性能)」に関する項目です。通常の用途(ゲームの描画や動画の再生など)で調整する設定項目とは、少し異なりますね。

 

グラボの設定を変更する2つの方法

グラボの設定を変更するには、次の2つの方法があります。

① グラボに標準で備わっているコントローラ(コントロールパネルなどからアクセス可能)を使う
② 汎用的なグラフィックボード設定ソフトを使う

①の「グラボに標準で備わっているコントローラ」では、ゲームの描画や動画の再生に必要な設定項目(画面の解像度、アンチエイリアシングなど)が中心となっており、あまりマイニング向けではありません。

マイニング向けにグラボを設定するには、②の「汎用的なグラフィックボード設定ソフトを使う」方法が一般的です。

(グラボによっては、①のコントローラでマイニング向けの調整ができるものもあります。)

マイニング効率を上げるためにどのような設定値にすれば良いかは、実際にマイニングを動かしてハッシュレートを確認しながら試していくしかありません。

 

マイニング向けのグラボ設定ソフト「MSI Afterburner」

汎用的なグラボの設定ソフトウェアとして、ここでは「MSI Afterburner」をご紹介します。

MSIと名前がついていますが、その他のメーカーのグラフィックボードにも対応しており便利です。

Afterburnerで確認/変更できる設定項目は次の通りです。

<確認できる項目>

  1. 電圧
  2. 温度
  3. GPU Clock
  4. Memory Clock

<設定変更できる項目>

  1. 電圧制御
  2. 温度制御
  3. GPU Clock
  4. Memory Clock

(電圧そのものは、基本的には変更できない設定になっています。)

 

マイニング向けには、どう設定を変更すれば良い?

マイニングの利益を上げるためには、どのように設定を変更すれば良いのでしょうか。

多くのコインを産出するためには処理性能を上げれば良いのですが、マイニングの利益を考えるとそれだけでは足りません。性能を高めてたくさんのコインを産出できたとしても、その分電気代がかさんでしまうと、金銭的には損失になる可能性があるからです。

マイニングの利益を上げるためには、コインの産出効率と消費電力のバランスを見ながら設定値を決めることが大切になります。以降では、グラボの設定項目とその関係性について見ていきましょう。

 

電力制御/温度制御(上限値)を上げる

電力または温度の上限値を上げることで、グラボの性能を十分に発揮できる可能性があります。電力と温度は比例関係にあるので、初期状態でこの2つの項目はリンクしています。(個別に変えてもあまり意味はないでしょう)

 

GPU Clockを上げる

GPU Clockを上げることで、グラボの演算処理性能を上げます。GPU Clockを上げるとそれだけ電力を食うため、温度も上がってしまいます。

GPU Clockはコインの産出効率に直接関わってくるため、まず最初に変更すると良いでしょう。上げすぎるとエラーが出て止まってしまうので、少しずつ上げていくほうが無難です。

 

Memory Clockを上げる

Memory Clockを上げることで、GPUの演算処理で使うメモリの性能を上げます。GPU Clockと同じく電力を食うため、温度も上がってしまいます。

Memory Clockも、GPU Clockと同様にコインの産出効率に直接関わってきます。

 

ファンの回転数を下げる

グラボを冷却するファンの回転数を下げることで、電力を節約します。温度があまり高くない場合には回転数を下げても良いでしょう。その分温度が上がるため、設定変更後は温度の変化に注意してください。

 

グラボ設定変更の効果を確かめるには、ベンチマークソフトがお手軽

グラフィックボードの設定を変えた後、どう変化したかを確認する一番良い方法は、実際にマイニングを動かしてみることです。

しかし、まだマイニングの設定ができていなかったり、動かすのが手間だという場合には、ゲームのベンチマークソフトを使う手もあります。

ベンチマークソフトの結果が良くなったからといって、必ずしもマイニングの効率が上がるとは限りませんが、おおよそのグラボ性能の変化を確かめることはできます。

FF14ベンチマークソフトは、グラボ性能の変化が見た目や数値でわかるためオススメです。

また、実際の消費電力を確認するためには「ワットチェッカー」と呼ばれる機器(コンセントに接続するタイプ)を使う必要があります。

グラボの性能と消費電力、温度のバランスを見ながら、マイニングの効率があがる設定を探して見てくださいね。